変形性膝関節症とは、膝関節の軟骨や半月板、骨などに変化が生じ、膝の痛みや動かしにくさなどが現れる疾患です。英語では「Osteoarthritis」と呼ばれ、OAと表記されることもあります。
年齢を重ねるにつれて発症しやすくなり、特に中高年の方に多くみられます。初期には立ち上がりや歩き始めなど、動作を始めたときに膝が痛むことがあり、進行すると歩行や階段の上り下りなどでも痛みを感じるようになる場合があります。
変形の程度と痛みの強さは必ずしも一致しません。そのため、膝の状態だけでなく、痛みの現れ方や動かせる範囲、歩行など日常生活への影響を含めて確認することが大切です。
変形性膝関節症は、一つの原因だけで発症するものではありません。加齢による関節の変化をはじめ、体重、過去の膝のけが、膝への繰り返しの負担など、さまざまな要因が関係します。
加齢による関節の変化
年齢を重ねるにつれて、膝関節の軟骨や半月板などに変化が生じることがあります。こうした関節全体の変化が積み重なることで、変形性膝関節症につながる場合があります。
体重による膝への負担
膝は立つ、歩く、階段を上るなどの動作で体重を支えています。体重が増えることで膝関節にかかる負荷も大きくなり、変形性膝関節症の発症や進行に関係することがあります。
過去の膝のけが
半月板や靱帯の損傷、骨折など、過去に膝を大きく傷めた経験がある場合、その後の関節の状態に影響することがあります。けがから長い期間が経過してから変形性膝関節症が現れることもあります。
膝への繰り返しの負担
仕事やスポーツなどで膝に負担のかかる動作を長期間繰り返すことが、発症に関係する場合があります。しゃがむ、立ち上がる、重い物を持って移動するといった動作では膝に大きな力が加わります。
脚の形や関節の状態
脚の形や膝関節の構造などによって、膝の一部分に負担が集中しやすくなることがあります。日本では膝の内側に変化がみられるタイプが多いものの、変形する場所には個人差があります。
筋力や身体機能の変化
膝や股関節周辺の筋力、身体の動かし方なども膝にかかる負担と関係します。痛みによって活動量が減少すると筋力が低下し、さらに日常動作がしにくくなることもあります。
変形性膝関節症では、膝の痛みやこわばり、腫れ、動かしにくさなどがみられます。初期には動き始めを中心に症状が現れ、状態が進むにつれて歩行や階段など日常生活のさまざまな場面で痛みを感じる場合があります。
立ち上がるときに膝が痛む
椅子から立ち上がるときや、長時間座った後に動き始めるときに膝が痛むことがあります。動き始めに痛みを感じることは、変形性膝関節症でみられる症状の一つです。
歩き始めに膝が痛む
座っていた状態から歩き始めた際などに、膝の痛みやこわばりを感じることがあります。症状が進むと、長い距離を歩いた際にも痛みが現れる場合があります。
階段の上り下りで痛む
階段を上ったり下りたりするときには、平地を歩く場合とは異なる負担が膝にかかります。特に階段を下りる際に膝の痛みを感じる方もいます。
膝が腫れる
膝関節に炎症が起こると、膝が腫れたり熱っぽく感じたりすることがあります。関節液が増えることで、膝が張ったように感じる場合もあります。
膝を曲げ伸ばししにくい
膝の動かせる範囲が狭くなり、深く曲げたり完全に伸ばしたりすることが難しくなる場合があります。正座やしゃがむ動作がしにくくなることもあります。
膝の内側が痛む
変形性膝関節症では、膝の内側を中心に痛みを感じることがあります。ただし、関節の変化が起こる場所によって、外側や膝全体に痛みを感じる場合もあります。
歩行がつらくなる
症状が進行すると、歩いている途中でも膝の痛みが続くことがあります。痛みを避けるために歩き方が変わったり、長距離の移動が難しくなったりする場合もあります。
変形性膝関節症の診断には、症状や身体所見に加えてレントゲンなどの画像検査が用いられます。膝の痛みや腫れが続く場合、急に強く腫れて熱を持っている場合、体重をかけて歩くことが難しい場合などには、変形性膝関節症以外の疾患やけがが関係している可能性もあるため、整形外科などの医療機関で状態を確認することが大切です。