股関節の痛みとは、脚の付け根や鼠径部、お尻、太ももの周辺などに痛みや違和感が現れる症状です。股関節は上半身と脚をつなぎ、立つ、歩く、走る、しゃがむなど、日常生活のさまざまな動作に関わっています。
股関節の痛みは、スポーツや仕事による繰り返しの負担で起こることもあれば、股関節を構成する骨や軟骨などの状態が関係している場合もあります。また、股関節以外の部分が関係して、脚の付け根や股関節周辺に痛みを感じることもあります。
痛みの原因や症状の現れ方は年齢によっても異なります。成長期から成人、高齢者まで幅広い年代にみられるため、どのような動作で痛むのか、いつから症状が続いているのかを確認することが大切です。
股関節の痛みには、スポーツや仕事による負担、筋肉や腱の状態、股関節の骨や軟骨の変化など、さまざまな原因があります。腰など股関節以外の部分に原因があり、股関節周辺に症状を感じる場合もあるため、痛む場所だけで原因を判断することはできません。
スポーツによる繰り返しの負担
サッカーやラグビーなど、走る、蹴る、方向転換するといった動作を繰り返すスポーツでは、股関節周辺に大きな負担がかかります。練習量や競技内容によっては、鼠径部周辺に痛みが現れるグロインペイン症候群などにつながることがあります。
股関節周辺の筋肉や腱への負担
股関節の周辺には、腸腰筋や内転筋、大腿四頭筋、ハムストリングスなど多くの筋肉があります。スポーツや仕事などでこれらの筋肉を繰り返し使うことで、筋肉や腱に痛みが生じる場合があります。
長時間の立ち仕事や身体を使う仕事
長時間立った状態で作業したり、歩く、しゃがむ、重い物を運ぶといった動作を繰り返したりすると、股関節周辺に負担がかかることがあります。仕事の後などに脚の付け根へ痛みや疲労感を感じる場合もあります。
股関節の骨や軟骨の変化
年齢を重ねることで股関節の軟骨や骨に変化が生じ、変形性股関節症などにつながることがあります。歩行時や立ち上がる際に鼠径部周辺が痛むなど、日常生活の動作で症状が現れる場合があります。
股関節の形態による影響
股関節を構成する骨の形態が痛みに関係することがあります。例えば臼蓋形成不全では、大腿骨頭を覆う骨盤側の部分が十分に発達しておらず、股関節への負担が大きくなることがあります。
腰など股関節以外からの影響
股関節周辺に痛みを感じていても、必ずしも股関節そのものに原因があるとは限りません。腰から脚へ向かう神経などが関係し、お尻や股関節周辺、太ももなどに痛みを感じる場合があります。
股関節の痛みでは、脚の付け根や鼠径部の痛みをはじめ、歩きにくさや股関節の動かしにくさなどが現れます。原因によって痛む場所や動作が異なるため、症状が現れるタイミングも重要になります。
脚の付け根や鼠径部が痛む
股関節の前側から鼠径部にかけて痛みを感じることがあります。歩く、立ち上がる、脚を動かすなど、股関節に力が加わる動作で症状が強くなる場合があります。
歩くと股関節が痛む
歩行時に体重がかかることで、股関節周辺に痛みを感じることがあります。症状が強くなると長い距離を歩くことがつらくなり、歩き方が変わる場合もあります。
立ち上がるときに痛む
椅子から立ち上がる際などに、脚の付け根や股関節周辺に痛みを感じることがあります。座っていた状態から動き始めるときに、こわばりや動かしにくさを伴う場合もあります。
脚を上げると痛む
階段を上る、靴下を履くなど、脚を持ち上げる動作で股関節周辺に痛みを感じることがあります。股関節を深く曲げた際に、詰まるような違和感が現れる場合もあります。
股関節を動かしにくい
股関節を曲げる、開く、ひねるといった動作がしにくくなることがあります。靴下を履く、足の爪を切る、しゃがむなどの日常的な動作に影響する場合があります。
お尻や太ももまで痛む
股関節周辺の症状は、鼠径部だけに現れるとは限りません。お尻や太ももの前側・外側などに痛みを感じることがあり、場合によっては膝周辺に症状を感じることもあります。
体重をかけると強く痛む
立ったり歩いたりした際に、股関節へ体重をかけることで強い痛みが現れることがあります。痛みのために脚へ十分に体重をかけられず、歩行が難しくなる場合もあります。
股関節の痛みには、変形性股関節症や大腿骨頭壊死症、成長期にみられるペルテス病など、医療機関での検査や診断が必要となる疾患が隠れている場合があります。転倒後に強い痛みがある、脚に体重をかけられない、安静にしていても強く痛む、子どもの股関節痛が続いているといった場合には、医療機関で状態を確認することが大切です。