腰部捻挫は、腰に急な力が加わり、腰椎を支える靱帯や関節周囲の組織などを傷めた状態です。交通事故では、衝突によって体が急に揺さぶられたり、腰をひねられたりすることで生じる場合があります。
腰の痛みや動かしにくさが主な症状で、周囲の筋肉の損傷や強い緊張を伴うこともあります。ただし、交通事故後の腰痛には、背骨の骨折や椎間板・神経の損傷などが関係する場合もあり、痛みの感じ方だけで腰部捻挫と判断することはできません。
レントゲンでは、靱帯や筋肉などの損傷がはっきり映らないことがあります。一方、「骨に異常がない」と言われた場合でも、痛みが強くなる、新たなしびれが出るといった変化があれば、再度の診察が必要です。
事故後に腰の痛みがある場合は、まず整形外科などの医療機関を受診しましょう。事故の状況や診察所見をもとに、必要に応じてレントゲン、CT、MRIなどで確認し、腰部捻挫として対応してよい状態かを判断します。
腰椎は、靱帯や関節、筋肉などに支えられています。交通事故でこれらの組織に急激な負荷が加わると、損傷や炎症が起こり、痛みにつながることがあります。
衝突による急な曲げ伸ばしやひねり
追突や側面からの衝突などで体が大きく動くと、腰に急な曲げ伸ばしや回旋の力が加わります。その力によって、腰を支える靱帯や関節周囲の組織などが、通常の動きの範囲を超えて引き伸ばされる場合があります。
事故時の姿勢や力の加わる方向
正面を向いていたか、体をひねっていたかなど、事故時の姿勢によって腰への力のかかり方は異なります。車の損傷の見た目だけで体のけがの程度を判断せず、衝突の方向や、そのときの姿勢も医師に伝えることが大切です。
周囲の筋肉の損傷や緊張
急な外力によって、腰の筋肉や腱が引き伸ばされ、傷む場合もあります。また、痛みのある部分をかばって筋肉が強く緊張し、腰の張りや動かしにくさにつながることがあります。
捻挫以外のけがとの区別
強い衝撃が加わった場合には、背骨や骨盤の骨折なども確認する必要があります。骨粗鬆症がある方では比較的小さな力でも骨折が起こる場合があるため、事故の規模や痛みの強さだけで軽いけがと決めつけないことが大切です。
腰の痛みや張り、動作のしづらさなどがみられます。症状の程度や経過には個人差があり、事故直後に痛みが軽かった場合でも、その後の変化を確認することが大切です。
体を動かしたときの腰の痛み
前かがみになる、体を起こす、腰をひねるといった動作で痛みが強くなることがあります。椅子から立ち上がるときや、寝返りを打つときなど、日常の動作がつらくなる場合もあります。
腰の張りやこわばり
腰の周囲が張る、筋肉がこわばる、普段の姿勢を保ちにくいといった症状が出ることがあります。痛みのために動かせる範囲が狭くなる場合もありますが、無理に曲げ伸ばしをして状態を確かめることは避けましょう。
座る・立つなどの姿勢でつらくなる
座っている姿勢や立っている姿勢を続けると、腰の痛みが強くなる場合があります。仕事や運転、睡眠などへの影響も含めて、どの姿勢や動作で困っているかを診察時に伝えると、状態を把握する手がかりになります。
足のしびれや力の入りにくさがある場合
足に広がる痛みやしびれ、力の入りにくさは、腰部捻挫だけでは説明できない場合があります。椎間板や神経への影響などを確認する必要があるため、新たに現れた場合や悪化する場合は、速やかに医療機関へ相談してください。
直ちに受診が必要な変化
尿が出にくい・出ない、尿や便を漏らす、股の間や肛門周囲の感覚が鈍い、足の力が急に弱くなる場合は、重い神経障害の可能性があります。また、強い衝撃の後に激しい腰痛や腹痛がある場合も、施術や通常の予約を待たず、救急外来などを受診してください。動けない場合や安全に移動できない場合は、119番で救急車を要請してください。