膝前十字靭帯(ACL)は、膝関節の中で太ももの骨とすねの骨をつなぐ靭帯です。すねの骨が前方へずれ過ぎるのを防ぎ、膝の回旋に対する安定性にも関わっています。
ACL損傷は、この靭帯が一部傷ついたり、断裂したりするけがです。スポーツ中に起こることが多く、膝の痛みや腫れに加えて、膝がぐらつくような不安定感がみられる場合があります。
受傷後に痛みが軽くなっても、靭帯の働きが回復したとは限りません。半月板や軟骨などを同時に傷めている場合もあるため、膝をひねった後の腫れや不安定感は、整形外科で確認することが大切です。
急な方向転換や停止
走っている途中で急に止まる、足を地面についた状態で方向を変えるなどの動作で、膝に大きな力が加わると損傷することがあります。他の選手と接触していなくても起こります。
ジャンプからの着地
着地の際に膝へ大きな負荷がかかることが、けがのきっかけになる場合があります。バスケットボールやバレーボールなど、跳ぶ・着地する動作を繰り返す競技でも注意が必要です。
接触や外力
選手との衝突など、外から膝に強い力が加わって損傷する場合もあります。受傷時の動きや衝突の方向は診察の参考になりますが、けがの種類を本人だけで判断することはできません。
受傷時の音や違和感
けがの瞬間に膝で音がした、何かが切れたように感じたと表現する方もいます。ただし、必ず音がするわけではなく、音の有無だけで損傷を判断できません。
膝の痛みと腫れ
受傷後に膝が痛み、数時間から翌日にかけて腫れが目立つことがあります。競技を続けられないこともありますが、症状の程度には個人差があります。
膝が抜けるような不安定感
方向を変えたときなどに、膝がずれる、がくっと力が抜けるように感じることがあります。不安定な状態で競技を続けると、別の組織にも負担がかかるおそれがあります。
曲げ伸ばしや歩行のしづらさ
膝を十分に伸ばせない、曲げにくい、歩くと痛むなどの症状がみられます。症状が似た別のけがもあるため、診察や必要に応じた画像検査で確認します。
膝をひねった後に腫れや不安定感がある場合は、運動を中止して早めに整形外科を受診してください。体重をかけられない、膝に明らかな変形がある、足先の感覚や色がおかしい場合は、速やかな診察が必要です。痛みが引いたことだけを基準に競技へ復帰しないようにしましょう。