頸椎捻挫型は、交通事故などによる「むち打ち」の状態を説明する際に使われる分類の一つです。首を支える靱帯や関節周囲の組織、筋肉などへの損傷が関係し、首の痛みや動かしにくさが中心となります。
「むち打ち」は、衝撃によって頭と体が急に揺さぶられる受傷の仕組みを表す言葉で、損傷した組織を特定する病名ではありません。事故後の首の痛みには、骨折や脱臼、神経の損傷などが隠れている場合もあるため、まず医療機関で確認することが大切です。
症状は事故直後から出る場合もあれば、数時間後や翌日になって目立つ場合もあります。痛みが出るまでに時間があったことだけで、けがの重さを判断することはできません。
整形外科などでは、事故の状況、首の痛む場所、手足の感覚や筋力などを確認し、必要に応じてレントゲンやCT、MRIなどを行います。靱帯や筋肉の損傷はレントゲンに映りにくいため、画像だけでなく診察所見も合わせて判断します。
首は、頸椎の関節や椎間板、靱帯、筋肉などによって支えられています。交通事故で急な力が加わると、これらの組織に負担がかかり、痛みやこわばりが生じることがあります。
衝突による頭と体の急な動き
追突などで体が急に押し出されると、頭と体の動きに差が生じ、首が短時間に大きく動かされます。前後方向だけでなく、横方向の動きやひねりが加わる場合もあり、首周囲の組織を傷める原因になります。
靱帯や関節周囲の組織への負荷
首が急に曲げられたり、反らされたり、ひねられたりすることで、頸椎を支える靱帯や関節周囲の組織が引き伸ばされる場合があります。ただし、どの組織が痛みの原因になっているかを、画像検査だけで特定できるとは限りません。
筋肉への負担と防御的な緊張
首や肩の筋肉が急に引き伸ばされて傷むほか、痛む部分をかばうために筋肉が強く緊張することがあります。この緊張が、首の張りや肩の重さ、動かしにくさに関係する場合があります。
事故時の姿勢や衝突の方向などによって、力の加わり方は異なります。首を何かに直接ぶつけていなくても症状が出る場合があるため、衝突時にどちらを向いていたか、頭を打ったかなども医師に伝えましょう。
主に首から肩にかけての痛みや張り、首を動かせる範囲の制限などがみられます。腕や手のしびれ、力の入りにくさなどがある場合は、頸椎捻挫型として自己判断せず、神経への影響を確認する必要があります。
首を動かすと痛む
左右を振り向く、上や下を見るといった動作で、首の後ろや周囲に痛みが出ることがあります。周囲を確認しづらくなる場合もあるため、十分に振り向けない状態での運転などは避け、医師に相談してください。
首や肩がこわばる
首の筋肉が張る、肩が重い、頭を支えているのがつらいと感じることがあります。痛みや緊張によって動きが小さくなる場合もありますが、無理に首を回したり、強くひねって動きを確かめたりしないことが大切です。
後頭部の痛みを伴う
首の痛みとともに、後頭部を中心とした頭痛がみられる場合があります。ただし、交通事故後の頭痛をすべて首の捻挫によるものと考えることはできません。頭を打った場合や、頭痛が強まっている場合は、その経過を医師に伝えてください。
時間がたって症状が目立つ
事故直後よりも、その後に首の痛みやこわばりが強く感じられる場合があります。初めの診察で大きな異常を指摘されていなくても、新たな症状が出た場合や悪化が続く場合は、再度の診察を受けましょう。
速やかな受診が必要な変化
手足のしびれや力の入りにくさ、歩きにくさ、首から背中・手足に電気が走るような感覚がある場合は、神経の損傷などの可能性があります。施術や通常の予約を待たず、速やかに医療機関を受診してください。急に手足が動かしにくくなった場合や、意識の異常、呼吸のしづらさがある場合は、無理に動かず119番で救急車を要請してください。