交通事故後の足のしびれは、太ももやすね、ふくらはぎ、足先などに、ピリピリする感覚や触れた感覚の鈍さが現れる症状です。片足だけの場合もあれば、両足に広がる場合もあります。
腰から足へ向かう神経への影響や、脚を直接ぶつけたことによる末梢神経の損傷などが原因となる場合があります。一方、脊髄や馬尾神経の障害、血流の異常など、緊急の対応が必要な状態でも起こります。
しびれがある場所と、実際に傷ついている場所が同じとは限りません。腰痛が目立たない場合でも腰の神経が関係していることがあり、「足の打撲だけ」「一時的な血行不良」と自己判断しないことが大切です。
事故後に新たな足のしびれが出た場合は、速やかに整形外科などを受診してください。感覚や筋力、反射、足の血流などを診察し、必要に応じてレントゲンやCT、MRIなどで原因を確認します。
足の感覚や動きを担う神経は、脊髄から腰や骨盤を通り、脚や足先へつながっています。事故の衝撃によって、この経路の一部が圧迫されたり損傷したりすると、しびれが生じる場合があります。
腰の神経根への圧迫や刺激
椎間板の損傷などによって、腰から足へ向かう神経の根元である神経根が影響を受けると、お尻から脚、足先に痛みやしびれが現れることがあります。もともとの腰椎の変化が関係する場合もあり、事故前後の症状と画像所見を合わせて判断します。
骨盤や脚の末梢神経の損傷
骨盤や脚を強くぶつける、膝周辺が圧迫される、骨折や脱臼が起こるなどして、末梢神経が傷む場合があります。また、けがに伴う腫れや出血によって神経が圧迫され、後からしびれが強まることもあります。
脊髄や馬尾神経への影響
背骨の中にある脊髄や、その下方に続く馬尾神経が損傷・圧迫されると、足のしびれに加え、筋力低下や排尿・排便の異常が起こる場合があります。首や背中の脊髄の損傷でも足に症状が出るため、原因を腰だけに限定することはできません。
血管の損傷や腫れによる血流障害
事故で血管が傷ついた場合や、筋肉を囲む空間の圧力が高まる急性コンパートメント症候群では、神経や筋肉への血流が障害されることがあります。強い痛み、張った腫れ、しびれなどが現れる場合があり、早急な治療が必要です。
しびれる範囲や左右差、始まった時期に加え、痛みや力の入りにくさがないかを確認します。原因がわかるまでは、無理に歩く、強く伸ばす、患部をもむなどして症状を確かめることは避けてください。
ピリピリする・触れた感覚が鈍い
太ももやすね、足の甲、足裏、足指などに、異常な感覚が出る場合があります。感覚が鈍い部分では、靴ずれや熱さに気づきにくいことがあります。カイロなどを直接当てたり、熱い物で感覚を試したりしないでください。
お尻や脚に広がる痛み
しびれとともに、お尻から脚へ響く痛みや、灼けるような痛みが出る場合があります。座る、立つなどの姿勢によって変化することもありますが、姿勢との関係だけで原因を特定することはできません。
つまずきや足首の動かしにくさ
つま先が上がりにくい、足を引きずる、膝に力が入らないといった変化は、運動を担う神経への影響を疑う症状です。事故後に新たに現れた場合は、痛みが軽くても速やかに診察を受けてください。転倒を避けるため、歩いて状態を試すことは控えましょう。
腫れや足の色・温度の変化
しびれに加えて、脚が強く腫れる、足先が冷たい、白っぽい・青紫色になる場合は、血流の障害などを確認する必要があります。固定具やギプスをつけた後にしびれや痛みが強まった場合も、直ちに医療機関へ連絡してください。
直ちに救急受診が必要な変化
尿が出にくい・出ない、尿や便を漏らす、股の間や肛門周囲の感覚が鈍い、足の力が急に弱くなる場合は、馬尾神経や脊髄の重い障害が疑われます。また、激しい痛みと腫れ、足の冷たさを伴う場合も緊急の評価が必要です。通常の予約や施術を待たず救急外来を受診し、歩けない場合や安全に移動できない場合は119番で救急車を要請してください。