抜け毛とは、髪が頭皮から抜け落ちることです。髪は一定の周期で成長と生え替わりを繰り返しているため、健康な状態でも毎日ある程度の髪が抜けます。抜け毛があること自体が、病気を意味するわけではありません。
一般に、自然な生え替わりによる抜け毛は一日50〜100本程度が目安とされています。ただし、個人差や季節、洗髪の頻度などによって変わるため、本数だけで正常か異常かを判断することはできません。
髪の密度やボリュームが減った状態を指す「薄毛」に対し、「抜け毛」は髪が抜ける現象を指します。抜け毛が一時的に増えても、そのまま薄毛が進むとは限らず、反対に、抜け毛の増加を感じないまま髪が薄くなる場合もあります。
以前より明らかに抜け毛が増えた状態が続く場合は、皮膚科へ相談しましょう。いつから増えたか、頭皮や髪の見た目に変化があるか、最近の体調や服薬状況などを確認し、必要に応じて検査を行います。
抜け毛には、自然な生え替わりによるものと、体調の変化や病気などに伴って増えるものがあります。原因を考える際には、抜け毛に気づいた直前だけでなく、数か月前の出来事も確認することが大切です。
毛周期に伴う自然な生え替わり
髪には、伸びる「成長期」、成長が止まる方向へ移行する「退行期」、次の成長に備える「休止期」があります。一本一本の髪が異なるタイミングでこの周期を繰り返しており、生え替わりに伴って自然に抜け落ちます。
病気や出産などに伴う体の変化
高熱を伴う病気や手術、出産などをきっかけに、休止期へ移る髪が増え、その数か月後に抜け毛が目立つことがあります。一時的に落ち着く場合もありますが、経過には個人差があり、すべての抜け毛が自然に改善するわけではありません。
急激な減量や栄養不足、強いストレス
急激な減量や、たんぱく質・鉄などの不足、強い心身のストレスが、抜け毛の増加に関係することがあります。ただし、抜け毛だけで栄養不足やストレスが原因と断定することはできず、食事や体調を含めて確認する必要があります。
病気や薬、頭皮の異常など
甲状腺の病気や薬の影響、頭皮の炎症、毛をつくる組織に影響する病気などでも、抜け毛が増える場合があります。原因によって対応が異なるため、薬の影響が気になる場合も自己判断で中止せず、処方した医師に相談してください。
抜け毛の変化は、洗髪やブラッシング、起床時などに気づくことが多くあります。一回に見つかる量だけでなく、普段と比べた変化や続いている期間、抜ける範囲を確認することが大切です。
洗髪やブラッシング時の抜け毛が増える
排水口にたまる髪や、ブラシにつく髪が以前より多く感じられることがあります。洗髪の間隔などでも一度に見つかる量は変わるため、洗髪時に多く抜けたことだけで、シャンプーが原因とは判断できません。
枕や衣服につく髪が目立つ
起床時の枕や、日中の衣服に付着した髪から、抜け毛の増加に気づくことがあります。短い毛が多い場合には、根元から抜けた毛だけでなく、傷みなどによって途中で切れた毛が混じっている可能性もあります。
頭部全体で増える場合と、一部分に目立つ場合
頭部全体で抜け毛が増える場合もあれば、一部分の髪がまとまって抜ける場合もあります。抜ける範囲や始まり方は原因を考える手がかりになりますが、抜けた毛の形や本数だけで特定の脱毛症を判断することはできません。
抜け毛の増加が続き、髪の量にも変化が出る
抜け毛が増えた状態が続くと、分け目が広がる、髪をまとめた束が細くなるなど、見た目の変化を伴うことがあります。抜け毛が落ち着いてから髪のボリュームが戻るまでには時間がかかる場合もあり、抜ける量と髪の量は分けて経過を確認します。
早めに受診したい変化
突然まとまって髪が抜ける、髪のない部分が広がる、眉毛やまつ毛も抜ける場合は、早めに皮膚科へ相談してください。頭皮の強いかゆみや痛み、赤み、膿などを伴う場合や、明らかな抜け毛の増加が続く場合も、原因を確認することが大切です。