粃糠性脱毛症(ひこうせいだつもうしょう)は、フケが多くみられる頭皮の状態に伴って、抜け毛が増えるものを指す名称です。「粃糠」は、ぬかのように細かくはがれる皮膚の状態を表します。
フケは、頭皮の表面の角質がはがれ落ちたものです。フケがある方すべてに脱毛が起こるわけではなく、フケと抜け毛が同時にみられても、それだけで原因を判断することはできません。
背景には、脂漏性皮膚炎などの頭皮の病気が関係している場合があります。乾燥したフケか、べたつくフケかという見た目だけで、脱毛の種類を明確に分けられるものではありません。
皮膚科では、フケの状態に加え、赤みやかゆみ、髪の抜け方などを確認します。必要に応じて真菌の検査などを行い、頭皮の炎症と脱毛それぞれの原因を見分けることが大切です。
フケと抜け毛がみられる場合は、頭皮に炎症が起きていないかを確認する必要があります。単に「フケが毛穴をふさいで髪が抜ける」と説明するのではなく、背景にある皮膚の病気や、頭皮への刺激などを考えることが大切です。
脂漏性皮膚炎などによる頭皮の炎症
脂漏性皮膚炎では、フケに加えて頭皮の赤みやかゆみがみられます。発症には、皮膚に通常存在するマラセチアという真菌や皮脂、それらに対する皮膚の反応などが関係すると考えられています。炎症が強い場合には、抜け毛が増えることがあります。
かきむしりや無理なフケの除去
かゆみのために頭皮を繰り返しかいたり、付着したフケを無理にはがしたりすると、皮膚や髪に負担がかかります。炎症や傷が悪化するほか、髪が途中で切れたり、引っ張られて抜けたりする原因になる場合があります。
かぶれや、ほかの頭皮の病気
シャンプーや染毛剤などによる接触皮膚炎、乾癬、頭部白癬などでも、フケのような皮むけがみられます。特に、真菌が髪に感染する頭部白癬では、髪が切れたり部分的に抜けたりすることがあり、通常のフケとは異なる治療が必要です。
AGAや休止期脱毛症などが、フケとは別に重なっている場合もあります。頭皮の状態が落ち着いても抜け毛や薄毛が続く場合は、ほかの原因がないか確認する必要があります。
フケが目立つことに加え、頭皮のかゆみや赤み、抜け毛の増加などがみられる場合があります。症状の組み合わせや程度は、背景にある頭皮の病気によって異なります。
細かいフケが目立つ
白っぽい細かなフケが髪や肩に付着し、気になることがあります。頭皮に付着している場合や、やや黄色くべたついて見える場合もあります。フケの色や大きさだけで、原因や脱毛の有無を判断することはできません。
頭皮のかゆみや赤みを伴う
頭皮がむずむずする、赤くなる、刺激を感じるといった症状が出ることがあります。強くかくと傷やかさぶたができる場合もあるため、爪を立てたり、フケをこすり落としたりしないことが大切です。
抜け毛や切れ毛が気になる
フケや頭皮の炎症とともに、洗髪やブラッシング時の抜け毛が増えたと感じる場合があります。途中で切れた髪が混じることもあり、根元から抜けているのか、髪が傷んで切れているのかを確認する必要があります。
症状が続く、繰り返す
頭皮の病気によっては、フケやかゆみが軽くなった後に再び目立つことがあります。洗髪だけで改善しない場合や、頭皮の症状とともに髪の量が減ってきた場合は、自己流のケアを続けず皮膚科へ相談しましょう。
早めに受診したい変化
頭皮に強い痛みや腫れ、膿、じゅくじゅくした部分がある場合や、髪が一部分だけ抜ける、短く切れた毛がまとまって目立つ場合は、早めに皮膚科を受診してください。感染症などの可能性があり、フケの多さだけでは説明できないことがあります。